ロシア語を学び始めたきっかけ

少し前に勤めていた会社を辞めたのですが、すぐに新しい職を探すでもなくダラダラとした日々を過ごしていました。

1ヶ月くらい過ぎると漠然と「なんかしなきゃなー」と思い始めました。
とはいえ何をやるにも腰が重く、大抵の事が三日坊主な僕です。相変わらずぼーっと「なにかしなきゃなー」な日々を過ごしていました。





そんなある日、
ネットサーフィンをしていると、ロシアの掲示板にたどり着きました。ロシア版2chのようなところです。そしてそこには美人なスラブ系女性の動画像の数々。
掲示板なので、たくさんのロシア語が飛び交っています。「どんな話をしているのだろう、きっとすごい情報交換が行われているに違いない…」


ゴロ寝しながら「ガールズ&パンツァー」を観ていると、なにやら美しい歌声が聞こえてきました。それはプラウダ高校の戦車道チームが歌う、ロシア民謡の【カチューシャ(КАТЮША)】でした。「なんと可愛らしいのだろう…」

ZOZOの前澤さんが民間人初の宇宙旅行者になったというニュースを観たのだった。
僕は旅行が好きで、実は死ぬまでに1度くらい宇宙旅行をしてみたいと思っていたのだ。とはいえ現実的な金銭問題を考えると、庶民が宇宙旅行できる価格になるのは数十年先でしょう。
しかし今からでも準備できる事があります。語学の勉強です。

今後、宇宙開発がどんどん進んで行きます。それは宇宙の領宙争いを意味します。
名目上、宇宙はどの国のものでもありません。とはいえ現実問題としてたくさんの人口衛星が宇宙を漂っており、中には軍事目的のものまであります。

これからは、いかに自国の宇宙ステーションを作っていけるかが宇宙で支配権を得るかの鍵になるのですが、
現状として宇宙開発はアメリカとロシアが飛び抜けています。
今後は中国あたりが宇宙開発へ力を注いで行くと思いますが、2強状態は変わらないでしょう。

だらだらと説明してしまいましたが、宇宙での公用語は「英語とロシア語」になる可能性が非常に高いわけです。


「…ロシア語を始めよう」
そう思ったのです。















ロシア語の勉強開始

僕が勉強を開始した時のロシア語知識は以下です。
・1週間のロシア旅行経験があり、生でロシア語を聞いた事がある(4,5年前)
・ロシア語では「キリル文字」が使われているのという知識がある
・「キリル文字」をいくつか見た事はあるが、アルファベットすべては知らない。故に読めない
・「スパシーバ」という言葉が「ありがとう」に相当する意味である
・「アジン」という言葉が「1」に相当する意味である(旅行中に教わった)
・「エータ」という言葉が「これ」に相当す(略)
・「ハラショー」という言葉が「OK」に相当す(略)
・「マヨー イーミャ 〇〇」が「私の名前は〇〇です」に相当す(略)



8月15日(0日目)

勉強を始める際に気をつけた事として、とにかく勉強に取り組むためのハードルを低くする事でした。
理由としては、そもそも勉強をするという習慣がなく、机に向かって30分も勉強できないのだ。お恥ずかしい。


というわけで、最初に選んだ勉強法は「読書」です。ただ読書するだけ。
ペンもノートも使わないで、ただ本を読むだけなら出来そうだと判断したからです。場所も選びませんからね。

そして最初に購入した本がこちちらです。


ロシア語のしくみ《新版》
ちなみにKindle版を買いました。

この本を選んだ理由は、上記のとおり読むだけでOKなところです。
といいますのも、この本は定型通りの教科書のようなものではなく、”読み物”としてロシア語の仕組みを解説しているのです。
例えば、歴史の教科書を読むより、歴史漫画の方が読みやすいですよね?それと同じです。(この本は漫画ではないですけど)

もちろんこれだけでロシア語をマスタしようなんていうのは甘い考えですが、「勉強に取り組むためのハードルを低くする事」にはとても則しています。
僕はこの本を2周読んで、何とな〜〜〜くロシア語がどういった仕組みで動いているのかを理解出来ました。なんとな〜くですけど。


この時点での勉強時間は、1日30分くらい。(読むだけなのに)



8月23日(8日目)

また「勉強に取り組むためのハードルを低くする事」を意識して、初学者向けの教科書を購入しました。


ニューエクスプレスプラス ロシア語《CD付》
今回はKindle版がなかったので、普通の単行本購入。

このニューエクスプレスはこれまたいい感じに初学者向けとなっていました。
この本の構成は、基本的に会話ベースで話が進み、その中で文法などを説明していく、という感じです。中学校の初めて使う英語の教科書ってそんな感じでしたよね。それのロシア語バージョンです。
非常に読みやすく、さささと1周を終える事が出来ました。そして、少しずつ机に向かって勉強することに慣れてきました。
付属CDを聴き、朗読し、文法を確認し…。と、なんだか中学校が懐かしかったです。



この時点での勉強時間は、1日2時間くらい。

8月30日(15日目)

ニューエクスプレスを1周したあたりで、「ロシア語って試験あるのかなー」と思い調べてみました。
すると、なんと約1ヶ月後に4級試験がある事がわかりました。さらにコレを逃すと次はまた半年後。


「やるしかないな」

と勢いで申し込み、そのまま過去問を2回分購入。(過去5回分まで買えます)
3日程で過去問が届いたが、もう少しニューエクスプレスを進めてからやろうと思い、放置。




この時点での勉強時間は、変わらず1日2時間くらい。


9月10日(26日目)

ニューエクスプレスを3周しました。
ここで初めて過去問に挑戦してみたが、あまりに解けなくて焦りました。

初めてということもありましたが、理由の1つに僕の知識の幅の狭さがありました。
というのも、ニューエクスプレスは初学者が勉強を嫌いにならず、なるべく続けやすいようと作られています。そのために会話をメインとして、そのなかに少しずつ文法やらを紹介していくというような流れでした。細かいところはさておき、頻出するメインとなる文法のみに的を絞っているのです。

要は試験範囲の内容を全て網羅していなかったのだ。
ニューエクスプレスだけの内容で試験を受けたら、完全丸暗記出来ていたとしても7割くらいかな?
(まあ試験は6割出来ていればOKなのですが)



この時点での勉強時間は、1日3〜4時間くらい。


9月12日(28日目)

これはやばいと思い、次は文法メインのものを購入。


標準ロシア語入門
これは試験範囲を網羅している。
ロシア語教材には詳しくはないが、この内容がスラスラとできるなら、だいぶロシア語ができると言えるみたい。
ただエクスプレスが会話ベースで読みやすかったのに比べると、これは「The 文法書」という感じで堅苦しく感じた。きっとこの本でロシア語を始めていたら挫折していたと思う。
とは言いつつ、エクスプレスで大まかな基礎知識はできていたので、それを”詳しく復習する”といった具合に進める事ができた。

ついでにこのタイミングで、残り3回分の過去問も購入。



この時点での勉強時間は、1日5〜6時間くらい。

9月17日(33日目)

標準ロシア語入門で試験範囲を1周する。
試験期日も迫っていたので、あとは過去問をひたすら解く実践形式で進めることに決めた。


ちなみにロシア語能力検定試験4級は、以下のような構成となっています。
筆記試験
 ・文法:100点満点
 ・露文和訳:50点満点
 ・和文露訳:50点満点
朗読試験
 ・朗読:50点満点

計250点満点(全てが6割を超えなければならない)


この時点での勉強時間は、1日5〜6時間くらい。

9月22日(38日目)

露和辞書を購入しました。


博友社ロシア語辞典
まさか人生の中で、自発的に辞書を購入する日が来るとは思いませんでした。

辞書購入に至った理由として、それまではgoogle翻訳を使用していたのですが、物足りなくなった(というか信頼度に欠けていた)のです。
4級はアクセント問題や、人称変化、格変化を見られるので、それを辞書で確認できるのはありがたいです。

もちろんgoogle翻訳はとても便利でした。
iPadならロシア語キーボードも入っているし、手書き入力も出来るのでチャチャっと調べる事が出来ます。ただ、間違いがあっても無理やり翻訳してしまうので困りました。まあ色々と痒い所に手が届かない状態だったのです。




辞書も手に入れ、残りはひたすら過去問を解いて、単語や格変化を確認し…、という感じで勉強を繰り返す。

最終的に、文法は平均で8割くらい出来るようになりました。(同じ問題だけど)
露分和訳、和文露訳は採点方法がわからないので、とにかく語彙数を増やすのと、例文として過去問の答えを書き写しまくりました。




この時点での勉強時間は、1日7〜8時間くらい。

10月6日 試験当日(52日目)

いざ会場へ。僕は東京会場です。
会場に入るとすでに沢山のひとがいて、黒板に張り出されている番号から見るに、4、50人ほどいるようでした。


試験官の説明がおわり、定刻を若干過ぎたあたりで筆記試験が開始。
時間いっぱいまで使って足掻きました。問題内容は、過去問5回分と比べると優しい部類だったように感じました。
文法はイケそうですが、和文露訳に不安が残りました。




続いて朗読試験。
どういう形式になるのかと思っていたら、会場全員にICレコーダーが配られ、その場での朗読でした。
50人近い受験者が遮蔽もない会場で一斉に読み上げるので、とても読みにくかったです。他の人の声に惑わされないよに、しっかりと自分の声を認識できるくらいの大きさで頑張って読み上げました。
(この時点では、巻き舌を使用したр発音は未修得です)

朗読が終了すると、録音内容を確認するために再生します。不思議なことに、周りの雑音が気にならないくらいクリアに自分の声が録音されていました。「最近のICレコーダーはすごいなー」と関心しました。
ちなみに使用したのはコレでした。そこまで最近のものではなかったです。







試験も終了したので、ほっと一息。
せっかくロシア語を教えている会場へ来たので、ロシア語についての質問を職員の方にしてみたら、とても丁寧に教えてくれました。
ありがとうございます。


っというところで、僕の52日間の猛勉強が終了したわけです。
結果はすでにタイトルにありますが…、一応最後まで書きます。




11月21日 結果発表


郵送されてきた合否判定書です。あらかじめ知らされていた日付にちゃんと届きました。
ありがたいことに試験問題も同封されており、過去問同様に解説付きです。

ちなみに点数はこんな感じです。


文法(90/100):そこそこ出来ていました。
露文和訳(38/50):わからない単語がちらほらあったけど、そこそことれていました。
和文露訳:(30/50)予想どおりギリギリです。ちょうど6割です。おそらく、相当甘い採点をしてくれたのだと思います…。
朗読(33/50):巻き舌のр発音が出来ていない状態だったことも含め、点数はやはり悪いですね。イントネーションもなんとなくで発音していたので、これも甘い採点をしてくれたような気がします。


僕の考えですが、4級という最下級の試験なので、採点は甘めなのかなーと思います。最下級で落ちたらロシア語のやる気なくなっちゃいますもん。
もし落ちていたら、モチベーションを半年後まで繋げられる自信はなかったです。



さいごに

晴れてロシア語検定4級取得者となりました。まあ点数はギリギリだったけど、それは気にしないでください。

4級には合格しました。しかし、それにふさわしいロシア語能力が自分に備わっているのかは、正直わかりません。
学習の後半は、ほとんどを試験対策という形で勉強をしてきました。ので正しく「ロシア語能力」が身についたのかは不明です。
現在もロシア語学習を続けていますが、「あれ。あれだけ試験勉強したのに全然理解できてないや」と毎日思っています。


まあ所詮、級の取得というのは「わかりやすい目標」に過ぎないのです。
とはいえ、目標を置くのは勉強をするにあたっての指針になるのは間違いありません。

きっと次は3級を受けると思います。その時にはせめて「今なら4級は楽勝」と言えるくらいにはなっていたいです。

参考:ロシア語能力検定試験4級のテスト攻略法
参考:ロシア語学習に飽きたあなたへ


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3 Responses

  1. 田中 2019年5月14日 / 10:56 PM

    私もロシア語を習い始めようとお遊び程度で考えていたのですが、この記事を読んで本気で頑張ろうと思いました。
    この記事を参考にして指南書を買おうと思います。
    これからも頑張ってください。

    • brevo 2019年5月15日 / 2:08 PM

      田中さん
      コメントありがとうございます。
      まだまだ初学者を抜けられたとは言えない状態ですが、継続して学習を続けております。
      お互いに頑張りましょう。

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